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無名ちゃんを見守りたい。甲鉄城のカバネリ【各話感想】

2016042201

2016年春ノイタミナ枠オリジナルアニメーション。クオリティの高い作画による演出にすっかり惹きつけられてしまいました。

各話視聴後、感想をこちらの記事に順次更新して参ります。

※「甲鉄城のカバネリ」各話のネタバレが多分に含まれています。未視聴の方はご注意ください。

テーマソング情報

オープニング

エンディング

第一話=脅える屍

2016042202

不死の怪物・カバネが顕金駅を襲った。
顕金駅で暮らす蒸気鍛冶の少年・生駒は、逃げ惑う人々の波に逆らって走り出した。
密かに開発した武器――ツラヌキ筒でカバネと戦うつもりだ。彼自身の過去と、誇りのために。

冒頭の甲鉄城内で寝ているヒロイン「無名」の美しさにまず驚きました。最近のアニメではあまり見かけない淡い着色が、和のイメージにピッタリ合致しています。なんと艶めかしいおみ足か。美樹本先生原案のキャラクターデザインが素晴らしい。

主人公「生駒」はカバネを打倒すべく日がな研究に臨んでいる蒸気鍛冶の少年。ちらっと挟まれた回想からして、彼にはかつてカバネから近しい人を救えなかった過去があるようです。そのことが後悔となり、「人であること」「カバネに屈しないこと」を己の信念としている様子。無名の「カバネは普通に恐いでしょ」という発言に「カバネを恐れて人としての品性まで失いたくない」と返したことが、何よりの証拠です。一話の限りでは、熱い意志を秘めた真っ当な主人公ですね。真っすぐバカとも言います。しかし嫌いではありません。

終盤カバネに傷をつけられた生駒は、カバネのウイルスを脳に侵入させまいと機械を使い首を圧迫します。ウイルスが脳に達することは避けられたようですが、短時間のうちに脳に達さなければ即座に死滅してしまうウイルスなのだろうか。死滅していなければ、再度血液を通して脳にウイルスが到達してしまうような気もしますが…。その理由は2話以降で語られるやもしれません。

また無名もカバネと相対した際、首に結ばれたリボンを解いて戦闘に臨みました。生駒が首を圧迫したことと何らか関係性があるように思います。カバネのウイルスに侵された人間は、身体能力が向上するのか。OP映像でも、戦場と思しき場所で無名が不敵な笑みを浮かべてリボンを解く描写があります。はてさて。

無名ちゃんがとにかくかわいい。これで12歳の少女とは。着物姿が気に入っているのですが、公式サイトやOP映像の限りでは、もう見納めなんだろうか。

第二話=明けぬ夜

2016042203

なんとか助かった生駒は、顕金駅に唯一残された駿城――甲鉄城に向かう。
一方、カバネの中に取り残された菖蒲たちの前に、幼い少女・無名が現れた。
彼女はその超絶の戦闘力で、甲鉄城への脱出路を切り開いていく。

顕金駅脱出回。めちゃくちゃ面白かったです。

生駒が想像していたよりも実直というか、良い意味でアホの子です。相手が親友とはいえカバネ化しかけたことをあっけからんと話してしまうとは。おそらくカバネ化せず留まったこと、ツラヌキ筒が完成した喜びで頭が回っていなかったこともあるのでしょうが、一話を見る限り頭で考えるよりも体が動くタイプで間違いなさそうです。逞生との掛け合いではずいぶんコミカルな表情をしていました。今後もこういった少し緩い雰囲気の掛け合いはあるのだろうか。

さて、戦闘服に着替え武器を整えた無名が鬼のごとし強さでした。作画が本当によく動きます。動くだけではなく、クオリティがしっかり維持されている。このレベルをキープしたまま最終話を迎えられるのか心配になるほどです。

カバネへの容赦のなさや、顕金駅の武士への明け透けな物言いから、無名という人物の印象が大きく変わった回でした。もう少し不思議ちゃんの要素があるかと思いきや、こまっしゃくれてサバサバした男前な性格。かわいい。私も生駒のように無名ちゃんにクンカクンカされたい。

カバネだと誤解された生駒が駿城から撃ち落とされたのはなんとも無慈悲ですが、しかし顕金駅の面々の心情を顧みると致し方ないようにも思います。これまでカバネに噛まれて助かった例など周知されていないのですから。絶望に暮れていた生駒を引っ張り上げてくれた無名と逞生が彼の救いでしょうか。なんとなく、内面的にも無名に引っ張られる生駒の図になりそうな感じですね。

無名や生駒がカバネではなく、人とカバネの狭間たる存在「カバネリ」であることが、無名の口から明かされました。このカバネリ、身体能力が増強されるメリットだけの状態とは到底思えません。戦闘後眠った無名の顔にカバネの模様が浮かび上がったことから、ともすればカバネ化の危険性が伴っているように思える。あくまで一時的に進行を抑えているだけで、僅かずつカバネ化は進んでいるのかも。

…とまあ、私なんぞにも予想できるバッドエンドはぜひとも覆してほしい。個人的には、生駒と無名が生き延びるハッピーエンドを望んでおります。余談ですが、無名の頭上で結んだ疑似アホ毛が、眠った瞬間萎えたシーンに思わず笑みが。かわいすぎる。

第三話=捧げる祈り

2016042901

特筆すべき事顕金駅を脱出した甲鉄城は、幕府の要害――金剛郭を目指す。
しかし、甲鉄城の人間たちは早くも内部対立し、生駒たちカバネリを追い出そうとする。
急遽リーダーになった菖蒲にそれを治める力はなくて……。

特筆すべき事柄があまりにも多い回でした。前回に引き続き非常に面白かった。

生駒の回想では、生駒自身も腹部をカバネに噛まれてました。あれはただの悪夢なのか、それとも実際起こったことなのか。過去カバネに噛まれたことが、カバネリとなれたことに関係しているのだろうか。

前回の引きに次いで、カバネリの身体はカバネものである旨明かされました。けれど、心は人間であるとも。そのことを知ってなお、顕金駅の面々は生駒と無名を受け入れられない様子。しかし無名の戦闘力を恐れてのことか、「奥の車両から移動しない」という条件つきで金剛郭までの同行を許可。

恐れを抱く気持ちはわかりますが、再度カバネの襲来に遭った際カバネリ抜きで対応できるとでも考えているんだろうか。駿城という閉鎖空間で一度カバネのウイルスに汚染された者が発生したなら、後はジリ貧だというのに。前々からそうでしたが、無名の言い分を度外視して頭ごなしに否定から入る辺り武士の頭の固さが伺えます。

生駒の金的に思い切り足蹴りをお見舞いするなど容赦がない無名ちゃん。無名の首のリボンは枷紐(かせひも)と呼ばれるカバネの呪いを制御するためのものであるようです。彼女の場合このリボンを解くことで100%の身体能力を発揮できるようですが、常時首輪を装着している生駒はその限りではない様子。カバネ化の進行と引き換えに首輪を破壊して全力を発揮する展開が終盤ありそうでこわい。

老人たちは親類の葬儀のため駿城を停止しろと要求します。故人を弔う行為は、残されたものの気持ちの整理のために行う儀式です。辛辣かもしれませんが、生存者の無事を優先しここは気持ちをぐっとこらえるべきでしょう。

菖蒲が彼らの意向をくみ取り、貯水補給のため駿城を一時停車した際に葬儀を行うこととなったわけですが、そのことがきっかけで生駒が過去を独白。回想の少女はやはり生駒の妹で、生駒の手によって心臓を破壊されたようです。つまり、無名=妹という説は考えにくい?

また無名もカバネが原因で家族を失ったとのこと。つまり彼女が兄様と呼ぶ人物は、血縁上の関係はない相手だということか。生駒の告白に、無名はなんともやるせなさい表情を見せていました。その際「弱いやつが亡くなって強いやつが生き残っただけ」と口にしていましたが、これは暗に生駒の心の強さを評しているのかも。あるいは、不幸な身の上をごまかすため自分に言い聞かせているようにも取れました。

さて、生存者の中にどうも怪しげな輩が混じっていることが気になりました。カバネリの存在を快く思ってない連中を煽って、生駒と無名の始末を企てている様子。このおっさん内部反乱者の可能性があり得るのでは。

赤ん坊をあやす無名ちゃんがかわいかった。売り言葉に果敢に乗ってみせる辺り血の気の多さが伺えましたが、無邪気に子どもらと戯れる姿は年相応のものですね。戦闘時と平素のギャップにときめきます。大衆もその邪気のなさに毒気を抜かれていました。当たり前です。

そんなこんなで大衆は無名と生駒に心を許し始めるのですが、無名の「血が欲しい」という要求に再度身構えます。傷が治ったり汗を流す様子からしてカバネリにも代謝はあるようですが、生命維持には人間と同じ食事ではなく、血液が必要だということなのか。

またそのことを示唆するがごとく気絶から目覚めた生駒が菖蒲を襲う間際でエンディングへ。顕金駅の面々のカバネリへの心象は無事回復するのだろうか。信頼関係の構築には一筋縄ではいかないことが想像できます。続きが気がかりで、一週間後が待ち遠しい。

そういえば、予告のナレーションを務めるルー大柴みたいな喋り方の人物が作中登場しましたね。純粋な日本人じゃないのだろうか。駿城の技術者?しかし移動手段は駿城のみであるため、海外から渡航できるとは思えません。単にそういうキャラなのか。

※公式サイトの「キーワード」ページをしっかり読んでみたところ、実際の史実とは異なり戦国時代の終わりから三百年ほど海外との貿易を行っていたそうなので、日ノ本に訪れていた海外人と現地の人間のハーフということも考えられますね。

第四話=流る血潮

2016050601

生駒と無名は民衆によって最後尾車両に閉じ込められてしまう。
それは甲鉄城の戦力の弱体化を意味していた。
ちょうどそこにカバネが襲ってくる。
しかも中には、戦いを重ねて強くなったカバネ――ワザトリがいて……。

雪解け回。1クールのようですし、サクっとやってくれて良かった。

散々カバネが現れたと脅えていたくせに、いざ無名がカバネ化した妊婦を倒したなら、一斉に彼女を罵り始める民衆の手のひら返しよ。前回無名が恐怖を煽る発言を漏らしたとはいえ、放っておけば自分たちがカバネ化しておかしくないというのに。では一体どうすべきだったのか。

無名の発言からすると、母体がカバネ化すると胎児もまたウイルスに感染してしまうようです。それとも無名が妊婦に刺し傷を作ったことと何か関係しているのだろうか?言っておいてなんですが、後者の線は薄そう。

生駒の吸血は来栖により阻止されました。やはりカバネリ相手であろうとも、直接噛みつかれるのはカバネと同様よろしくないようですね。今後直接血を吸わせなければいけない状況が発生して、甲鉄城の誰かが身を挺して…という展開があるやも。実はカバネリなら無問題だとしても、そうでないにしても。

無名がカバネリ同士での吸血を提案しない辺り、そういったWIN-WINな手段は取れないようです。少なくとも彼女の言うところの兄様からは教示されていない様子。先ほどの予想と同じように、生駒と無名しかいない状況でやむを得ず血を吸い合う場面があるのかな、などと想像すると楽しくなってくる。

菖蒲のこれまでの失態を楯に甲鉄城の指揮権移譲を要求する輩が現れました。厳つくあくどい顔の連中ばかりでしたが、彼らは単純に自分らの方がうまくやれると考えているだけの一般人なのだろうか。観直しましたが、三話で民衆を煽っていた輩とは別人のようです。

あくどい顔の指揮によって高地が多く危険な山越に進路が変更された上、生駒の友人である逞生や、鰍・巣刈まで最後部の車両に閉じ込められるハメに。吸血衝動を知られたとあっては民衆の恐れも無理はありませんが、それでもなお生駒への接し方が何一つ変わらない逞生が癒しです。EDの川遊びをしている面々に巣刈もいましたが、生駒や逞生とは親しい仲なのだろうか。カバネリ相手に特に脅える様子がないためそんな気もしますが、単に彼の冷静な性格あってのことかも。

生駒の「俺たちであのワザトリを倒す!」から無名の「…うん!」のやり取りが良かった。一話の「普通にカバネは恐いでしょ」→「人としての品性まで失いたくない」からの無名の驚き顔→微笑みの表情変化を思い出します。また、無名に対して「指図するな!」などと案外強気の生駒。2話からずっと尻に敷かれっぱなしでしたが、危機的状況にきていよいよ主人公らしくなって参りました。

ワザトリの元へ向かうまでの甲鉄城の上での戦闘に興奮冷めやらぬ思いです。生駒の背中を踏み台にし空中に飛び上がって戦う無名ちゃんの作画の素晴らしさよ。滾ります。生駒はというと、無名との稽古の成果を実戦で早速発揮してみせます。足技でカバネを倒したところからのツラヌキ筒の流れが華麗でした。

しかし血が足りず道中で無名はリタイア。眠りにつく寸前、無名の生駒に対する気持ちが少し明らかになって良かった。カバネリ同士ということもあるでしょうし、生駒の性格を好ましく思っている面もあるのでしょう。甲鉄城の誰よりも心を開いているというのか、気を許していることが伺えました。かわいい。無名ちゃんかわいい。

さて、これまで威勢だけは良かった来栖にようやく見せ場がやって参りました。相手がワザトリだったことが不幸中の幸いでしたね。普通のカバネ相手に同じ状況に陥っていたとしたら、刀で刺されるのではなく噛まれて終了でした。「カバネが人がましくしゃべるな!」が見事なブーメランと化していたことでしょう。

そんなわけで腹を刺された来栖の血を生駒に与えるのかと思いきや、菖蒲が小太刀で自らの腕を切り、その血と引き換えに生駒と契約を交わします。生駒が菖蒲の手のひらをそっと支えて血を吸うシーンには、契約の名に恥じない気高さを感じました。美しい。

ワザトリは思いのほかあっさり倒れました。血を吸って回復した生駒のくるっとまわってちょんちょんぱで床に這いつくばり、ツラヌキ筒でフィニッシュです。この度の一件で、少なくとも武士の面々や甲鉄城の乗務員はカバネリに理解を示したようです。なんとあの来栖ですら。ようやくOPやEDのパーティが結成されそうな雰囲気で嬉しい限り。

第五話=逃れられぬ闇

2016051301

カバネに滅ぼされた八代駅で、甲鉄城は生存者を拾った。
生存者の中には無名の昔なじみ榎久がいた。彼は甲鉄城に馴染み始めた無名を弱くなったと指摘する。
焦った無名は、自ら無謀な戦いを選択し、窮地に陥ってしまう。

ようやく状況が落ち着き、生駒は技術屋としての本領をいかんなく発揮しているようです。ツラヌキ筒を参考にして作られた噴流弾やカバネソードにより、カバネリ以外の戦力が大いに増強された模様。

無名は無名でおっさん二人の諍いを治め(物理)民衆の歓声を受けていました。前回の一件で、民衆ともそこそこに打ち解けた様子。生駒に迷惑をかけているのではないかと問われ慌てて弁明したり、鰍に褒めちぎられて照れてみせたりなど、12歳らしさが伺えてほっこりしました。打ち解けた相手にはツンデレ気味でかわいい。

線路を塞いでいる竪坑櫓を除去するための作戦を話しているときの生駒がやたら饒舌で笑いました。自分の技術やアイディアが認められることがよほど嬉しいのでしょう。一話から生駒はそうした承認欲求が強い傾向にあるので、生き生きとするのも無理からぬ話でしょう。

矢代駅で出会った榎久と無名の会話から察するに、榎久が”若様”と呼称する相手と無名が”兄様”と呼称する相手は同一人物であることが伺えます。そして榎久は、かつてその若様から一度見限られた。

また、無名の回想でも少女が武士に始末される場面がありました。これは兄様の意向によるものなのでしょうか。あの少女もカバネリかと思っていたのですが、観返したところ左腕に噛み傷がありました。おそらく彼女は普通の人間で、カバネに噛まれたため処分されたのでしょう。なんにせよ、無名の慕う兄様が冷酷な一面を持つ人物である可能性が高まりました。私の中でラスボス疑惑も浮上して参りました。それとも兄様とは関係なく、見限られるという言葉から無名が連想した過去というだけなのか。

榎久の「使命を果たせ無名。人でいられるうちに」という発言も気になります。やはりカバネリは現状カバネ化からながらえているだけであって、いずれカバネ化してしまう運命にあるのやも。

同様に榎久の発言から、幕府の背景も淀んで参りました。対人間用の武器を仕入れていることから、カバネの存在自体が幕府により仕組まれたものなのではなかろうか、そう思えなくもありません。そのことについて無名の言うところの兄様と裏で結託している可能性すらあり得る。

子どもらの飼っていた犬が亡くなった場に居合わせた無名は、また失言を重ねてしまいます。これは決して悪意あってのことではなく、榎久に突き付けられた言葉が彼女に重くのしかかっていたためです。亡くなった太郎と彼女自身を重ねての発言だったのですが、悲しいかな理解されず女衆に「所詮はカバネ」とはき捨てられてしまう。この発言をした女性は、3話でも無名に対して敵意を含んだ素振りでした。カバネリがいなければ山越でとっくにお陀仏だったというのに、そのことは我知らずとも言わんばかりです。

ただ、無名が普段気丈に振る舞っているから抱え込んでいる苦悩が誰にも伝わらないという理由もあるのだと思います。まして、ペットが亡くなって悲しみに暮れる子どもならなおさら胸中を推し測ることなどできようはずもない。完全にタイミングが悪かったとしか言いようがありません。せめて生駒だけは、と思ったのですが彼も無名の言動に違和感を覚えつつも、あまりに突っぱねられ喧嘩腰に。

そんなわけで焦燥にまみれた無名がスタンドアロンで勝手をしでかし、作戦は瓦解の一途を辿ります。生駒に対してすがるように「大丈夫だからね!私がなんとかするから!」と発言した彼女の気持ちを思うと切ない。カバネと戦うことのみが自分の存在意義であると信じてやまないのでしょう。そのことすらまっとうできなければ、誰からも必要とされず見限られてしまう。そう考えているのだと思います。

さて、カバネリ二人が甲鉄城と分断されてしまいましたが、どうなるものか。

黒煙とかいうカバネの集合体、あれでマンキンのカルシウムの巨人を思い出しました。あれはもはや個体としての意識を持っているのだろうか。ううむ。

第六話=集う光

20160520

甲鉄城は巨大なカバネの塊――黒けぶりを前に立ち往生していた。
一方、生駒と無名は廃駅の底に落ちていた。周囲はカバネ、無名はガレキの下敷き、援護は望めないという絶望的な状況で、それでもなお生駒は前を向いた。

終始興奮しっぱなしの回でした。本日帰省なのですが、なんとしても感想を更新しなくてはと奮起するほどには。

血が足りなくなった無名が「カバネになる」と恐怖を露わにしていました。カバネリが血を欲するのはやはりカバネ化しないためなのかもしれません。また、前回武士に処分された少女は人間ではなくカバネリだったのかも。少し脱線しますが、するとカバネが人を襲うのは人間に戻りたいからなのだろうか。だとすると進撃っぽい。

上二つの推測は、無名の「仲間はすべてカバネになってしまった」という発言を根拠にしています。そしてもうひとつ気になる発言。「私は一度もカバネに噛まれたことなんかない」。無名はカバネリだけれど、一度でもカバネに噛まれると危険という可能性が浮上して参りました。同じカバネリなのに生駒が噛まれても平気ないのは、生駒と無名ではカバネリ化の方法が異なるから?

カバネリがカバネになるかもしれない可能性を知っても落ち着いた生駒が印象的でした。彼は直情的でアホですが、同時に技術屋らしい冷静な一面もあるんですよね。

あたしのせいで失敗したって言いたいんでしょ?」とむくれる無名に、取り繕った言葉ではなく真実でもって返す生駒が男らしくてカッコよかった。そして自分たちの弱さを素直に認めている節が伺える発言もありました。けれど決して説教がましいわけではなく、ありのままの自分を認めて、それでいて成長しようと考えていることが伺える発言です。生駒の好感度がうなぎのぼり。いそうでいなかった、熱い主人公です。

いやはや、不謹慎ながら、泣いて焦ってる無名ちゃんがかわいかった。かわいかった。

彼女がまだ人間であるときの回想が少し描写されました。3話の「カバネで家族を亡くした」という発言がミソですね。カバネに家族を亡骸にされたのではなく、文字通りカバネが原因で家族を亡くしたのだから。馬に乗っていた人物は彼女が言うところの兄様なのだろうか。絶体絶命の状況と救われたのなら、あれだけ慕う理由も頷けます。

なんやかんやあって無名は、彼女が前回不要と切り捨てた甲鉄城の仲間によって助けられることとなりました。そして彼女が漏らした「強くないのに、あんたもあたしも生きてる」という発言。ここから仲間は弱さではなく、かけがえのない力になることを理解していく展開になるのでしょうか。それとも、既に理解し始めているのか。太郎の一件についても謝罪をし、菖蒲に称された用心棒を自称し、いつも通り便りがいのある無名ちゃんが復活した感じです。

侑那が勢いよく上着を脱いでレバーを引いたのに甲鉄城の圧力が上がらなかったのには少し笑ってしまった。結果酷使される巣刈であった。彼は口は悪いけれど、きちんとやることはやるからカッコいいですね。

さて、黒煙りの核たるカバネを打ち抜いて空中に放り出された無名ちゃんを受け取とめる生駒。受け止められる寸前のちょっと驚いたような、茫然としたような顔が印象的でした。イチャイチャしやがって。くそ、無名ちゃんかわいい。

甲鉄城が脱輪しかけたときの無名ちゃんの「よっと」がかわいかった。余裕が出てひょうきんな感じが戻ってきて良かった。一週間が待ち遠しい。

第七話=天に願う

2016052701

顕金駅を出てから初めて、甲鉄城は人の暮らす駅――倭文駅に着いた。生駒たちは買い出しに出かけ、久しぶりの平安を味わう。一方、菖蒲は倭文駅に食料を分けてくれるよう交渉する。しかし、どの駅も食料は貴重で……。

七夕回。

アバンタイトルで生駒、来栖が仲良くなってて最初からほっこりしました。剣術ではまだまだ来栖に及ばないものの、生駒は順調に実力を身に着けているようですね。ツラヌキ筒を抱えていては剣術を披露できそうにありませんが、役立つ場面はやってくるのかこないのか。

七夕ができると知ったときの無名ちゃんがかわいかった。そしてむめじりである。案外今まで露出は控えられていたというのに、小休止回だからってサービスが過剰ではなかろうか。おまけに髪型まで一話と同じツインテールの状態。相変わらず右側のもみあげの長さがおかっぱのときと釣り合いませんが、かわいいからモウマンタイです。

ところで、生駒と無名は検閲をどう突破したのだろう。倭文駅のお偉いさんはカバネリについて事情を知っている様子でもありませんでしたが。まあ細けぇこたぁよしとしましょう。

無名ちゃんがかわいいと思っていたら、値切り中の鰍もかわいかった。これは将来肝っ玉母ちゃんになりそうな予感がひしひしとします。無名も驚くほどですから、相当です。

武士の物言いも乱暴だったとはいえ、生駒と逞生が限りなくチンピラに近い手の早さで笑ってしまった。そして噴流弾について説明したがる生駒は相変わらずであった。

巣刈の現実を突きつけるシビアな一面は、思いやりがないわけではなく、むしろ先を見据えているからこその発言であることがわかりました。前回の「仕事で返せよ」からこっち私の中で好感度がグイグイ上がっています。

菖蒲様はお饅頭食べられてご満悦の様子。障子を開けて顔を赤らめる来栖が何故だかよくわからないけれども年相応の男子らしくて微笑ましかった。そんなわけで物資の交渉に赴いた菖蒲の笑顔に顔を赤らめる倭文駅の家老とその他二人が実にスケベジジイでした。菖蒲様は饅頭食ってるからな。

解放者」というのは無名の言うところの兄様を指していているのでしょうか。単独の人物を指しているように感じますが、狩方衆という組織全体を指している可能性も捨てきれません。中央の争い云々というからには、幕府と兄様の間で一悶着ありそうな感じです。榎久が発言していた、幕府が人間用の武器を買い込んだという発言は、このあたりに掛かってくるのかも。

さて、案外サラっと無名ちゃんが人間だった頃の名前が明らかになりました。漢字は生駒の想像ですが、穂純(ホヅミ)とのこと。

七夕のことをきっかけに、カバネリである自分の苦悩を生駒に吐露する無名。そのことを知り、「もう戦うな。人間に戻れ」と口にする生駒。その言葉によって見せた無名の笑顔に、生駒は妹の姿を重ねたようです。二人の間にあるのは男女の恋慕というよりも、兄妹愛のようなものなのでしょうか。少なくとも、生駒はそうなのでしょう。菖蒲は来栖といい感じになりそうだし鰍はフリーっぽいので、生駒と無名が恋愛に発展しないとも限りませんが…。

七夕の翌日、狩方衆とともに兄様こと美馬が現れました。表向きは無名の無事に喜びを見せていますが、生駒は不信を感じている様子です。無名の仲や無名自身に対して行っていることを考慮すると、視聴者としても疑念が尽きません。さてどうなるものやら。

第八話=黙す狩人

20160603

無名の慕う兄様は、カバネを狩る特殊部隊――狩方衆を率いる美馬だった。だが、人々から英雄と讃えられる美馬のことを、生駒は信じられない。彼こそが、無名をカバネリにした元凶だったからだ。

美馬と初対面の生駒の態度が一話で菖蒲に向けていたものと同じ感じでしたね。すぐ顔に出る男です。一旦頭に血が上るととことん直情的なのは相変わらず。嫌いではありませんが、2話では直情的な面が原因で痛い目を見ているので気が気ではない。

弱い奴が○んで強い奴が生き残る」というのはやはり兄様の持論で相違ないようです。しかし生駒はそれを「弱い奴を切り捨てる考え」だと不満を抱いている。ただ無名を救ったことからして、「弱い奴は生き残るために強くなるべき」という考えを孕んでいるようにも思います。

美馬がこの考えを持つに至ったのは10年前の出来事が原因ではなかろうか。幕府からカバネのいる戦場に置き去りにされ、それでもなお生き残った経緯を知るとなるほど納得できます。

榎久を従えていた連中の手によってカバネがおびき寄せられ戦闘勃発。美馬と愉快な仲間たちが剣を掲げる中、無名ちゃんのひとりクナイがシュールで思わず笑う。

さて、美場の傍に仕えていた金髪の女性も無名と同じくカバネリである模様です。巣刈はどうして彼女がカバネリだと気づいたんだろうか。身体能力か、赤く輝く瞳か。どちらにせよ大した観察眼であった。兄様から離反した無名と彼女の一騎打ちが今後待ち受けているのではと想像してしまう。

5話で無名に神妙な顔で説法かましていた榎久が華麗に退場していきましたね。もう少し渋く達観した輩なのかと思っていたのですが、最期の寸前ガッツリ狼狽していましたし、案外情けない幕切れでした。彼が過去なにをやらかして美馬の耳から失墜したのか、明かされずじまい。そのことは重要ではなく、美馬の人物像を説明するための役どころだったのだろうか。

カバネリと化す以前、無名は人間を手にかけていたことが明かされました。美馬は彼女を直接守るわけではなく、あくまでひとりで生きていける強さを教えただけに過ぎないわけです。確かに生駒とは相容れないやり方ですね。

予測に過ぎませんが、無名自身にやらせることで彼女の思想を操ろうとする魂胆にも思えてしまう。というのも美馬に心酔している現状は思想の刷り込みに近く、不健全に感じるわけです。自分が強くなるため、自分が誰かに必要とされるために無名はカバネリになったのだと思われますが、そのどちらも崩れたときいかに脆いかは5、6話で証明されています。兄様に依存した状態では身体的な強さは得られても、心の強さは得られないのではなかろうか。

黙っていられなかったことがひとつ。美馬と研究員の野郎どもはこうして定期的に無名ちゃんの成長を目に焼き付けているというのか。美馬、あいつは英雄なんかじゃない。あのとき(無名ちゃんの全裸を見て)、あいつは笑ったんだ。くそったれー!

美馬の目論見は10年前の出来事の復讐なのでしょうか。手ずからカバネを倒し民衆の支持を集めておき、幕府を打倒することでいずれは日ノ本を牛耳る腹づもりではなかろうか。ううむ。腹に一物含んでいるのは間違いありません。

視聴前から想像していたことではありますが、やはり無名は甲鉄城から離反し兄様の元へ戻ってしまいました。甲鉄城の親鍵を無名に持ってこさせる美馬の意図は、生駒というカバネリの存在にあるのでしょうか。自分の目論見に相容れず人間以上の戦闘力を持つ生駒を邪魔者と判断したのか。もしくは甲鉄城に情を抱き榎久が言うところの弱さを身に着けた無名に気づき、彼女の思想を矯正しようとしたのかも。

あるいはその両方かもしれません。親鍵が手に入れば甲鉄城をおとしやすくなるし、失敗したとして無名に甲鉄城への不信感を抱かせることができる。なんという策士。

うーむ、ここから先は胃の痛い展開が続きそうです。無名ちゃんがまた生駒や甲鉄城の面々に笑顔を向けてくれることを願うばかり。

※公式の9話予告に思い切り美馬の倒幕が始まると書かれていました。やっぱりか。

第九話=滅びの牙

2016061001

甲鉄城は金剛郭へ至る最後の砦””磐戸駅に到着する。
幕府は、民衆の声望を集める美馬を警戒し、金剛郭への道を閉ざそうとするが、美馬は磐戸駅の領主に会談を求め……。
ついに、美馬と狩方衆による倒幕が始まったのだ。

良くも悪くもセオリー通りの回でした。

ヴィジュアルがきつめの美人だったので性格もその通りかと思っていた滅火が無名のことを気にかける優しい人物だっただけに、たった二話の退場が惜しまれる。

美馬とも主従関係だけではなく、近しい雰囲気が感じられました。だからこそ融合群体の心臓となることを受け入れていたのでしょう。どういういきさつで知り合ったのか気になるものの、作中で明かされることはないでしょうね。

カバネリを使った人口の融合群体」という発言があったということは、ただのカバネが中核となる融合群体も存在しているということなのでしょうか。5~6話で登場した融合群体はカバネベースなのだろうか。

さておいて。おそらく美馬は、金剛郭でも同じように人口融合群体を使って門をぶち破る算段なのだと思います。そしてその心臓をなすのは恐らく無名。彼の真の目的を知った無名が大人しく従うとは思えませんが、甲鉄上の面々との関係を利用してきそうで心配です。「甲鉄上の面々の安全と引き換えに融合群体の心臓となれ」という要求があり得そうで恐ろしい。

克城の研究員下っ端っぽい輩が、「白血漿」というものを滅火に使う旨の発言をしていました。これはカバネのウイルスを中和する薬剤なのでしょうか。ただし、カバネ化したカバネリには効果はない様子です。

この薬があれば無名ちゃんがカバネリから人間に戻ることも可能なのでしょうか。少なくとも、カバネ化の心配がなくなるようであれば嬉しい。ただ、希望が見えてきたところでカバネ化するという上げて落とすパターンだけはご勘弁願いたい。落ち込みます。

第十話=攻め上ぐ弱者

2016061702

克城に連結された甲鉄城では、逞生たちが狩方衆の厳しい管理下に置かれ、血を採取されていた。絶望する人々の中で、生駒は諦めず反攻作戦を企図する。自由と誇りと、無名を取り戻すために。

逞生がAパートからこっちいつも以上に活躍していたので嫌な予感がしていたら案の定…。決行前夜の生駒とのやり取りが完全にフラグでした。

生駒の腕から離れた石を逞生が握っていましたが、この石はやはりただの石ではないのだろうか。克城の輩の「男のカバネリは珍しい」という発言は、少なくとも無名や滅火と同じ方法では男性はカバネリ化できない、もしくは著しく成功率が低いということなのだと思います。

そんなわけで、男性がカバネリ化するキーとなるのがあの石なのではなかろうか。あの石が逞生をカバネリとして復活させる、あるいは無名が正気を取り戻す。そのどちらかの役割を果たすやもしれません。

生駒との口論で「自分の身を守ることは卑怯じゃない」と発言していた無名が、美馬の「投薬をやめる」という脅迫を前にしてもなお甲鉄城の面々を選んだ場面にこれまでの積み重ねを感じられました。しかしうまいこと合流できるわけもなく…。美馬のやり方が間違っていると感じたのであれば彼を武力で止めることも必要だと思うのですが、そこまでの覚悟はまだできていなかったのでしょう。彼女は純粋すぎるのです。

無名が打たれたのは滅火と同じ薬なのでしょうか。少し様子が違うようにも感じられます。融合群体の心臓になってしまうともはや救う手段が消失してしまいますし、ラスボス化してしまっては彼女の成長を描写する機会までもが完全消失してしまうので、正気を取り戻して甲鉄城に戻ってともに戦ってほしいですね。ただ、王道展開であれば十中八九そうなってしまう展開でもあります。胃が痛い。

※次回予告で無名の胸が青白く光っていました。また、被膜っぽいものを身体に纏ってもいました。外的特徴が完全に注射を打たれた滅火と一致しているので、これは融合群体コースか…。

しかし生駒の戦闘力がよくわからない。モブ相手ならタイマンで圧勝、しかし名あり相手だと厳しい。それくらいの実力なのでしょうか。前回からやたらボコボコにされ、いまひとつ活躍しきれていないのが歯がゆい。大詰めに向けた溜めなのだと信じたいところ。

美馬が登場してからというもの、フラストレーションが膨らむ展開ばかりです。このまま下方へ向かっていかず、うまいこと上方へ持ち直してほしいですね。無名ちゃんの笑顔が見たい…。

第十一話=燃える命

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美馬は、父親である現将軍・興匡と10年ぶりの再会を果たす。
その裏で無名のヌエを準備しつつ。
一方、なんとか一命を取り留めた生駒だったが、自信と気力を失い、心が縮こまっていた。
カバネを見ても怯えることしかできない生駒だが……。

相変わらず美馬の独壇場ですし、不屈の闘志が売りの生駒が急にヘタれたり、立ち直ったかと思えば急に髪を剃ったり、金剛郭に着く前に黒血漿を打ったり、将軍がこれから処刑しようという人間の言うことを素直に従ってまんまと策に嵌ったり、見せたい場面ありきでシナリオを作成しているのかと感じました。そのため場面ごとにチグハグな印象です。うーん。

第十二話=甲鉄城

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美馬の計略と、ヌエとなった無名、そして流入したカバネにより、金剛郭は崩壊しつつあった。そこに生駒が到着する。
自らの体を再び改造した生駒は、無名を救うために、敵だらけの金剛郭に踏み込んでいく。

最終回。融合群体の核と化した無名と戦うことなく、ラスボスは実はカバネリだった美馬。その割には尻もちついたり関節をきめたり盲目と化した生駒の背後から忍び足で近づく美馬の図だったり、地味で泥臭い戦いでした。無名ちゃんのアクションシーンの1/10にも満たない爽快感のなさです。

無名が融合群体の核と化したのは、助けを待つピーチ姫に仕立て上げるための苦肉の策だったのではなかろうか。そう思うのは、生駒が妹を亡くしたかつてと同じシチュエーションで、今度こそ成功を納めることがこの物語の帰結点だったことがわかったからです。

でもやっぱり無名ちゃんは不敵にアクションしてなんぼですね。憂い顔で大人しくしているのは似合わない。そういった意味では、美馬の存在はとことんこの作品のセールスポイントのひとつを潰してしまったな、と感じます。

さて、生駒と無名ちゃんがどちらも無事生還したことは喜ばしいのですが、それなら素直に逞生を生かしておくべきだったのではないでしょうか。必ず犠牲にならなければ物語が成り立たないかと問われれば答えはノーです。無理矢理に退場させた感じが否めません。そのため素直に感動に浸れませんでした。

ただ、無名ちゃんが元気に動き回っている姿をもう一度見られて良かった。8話以降の鬱屈とした気持ちが少しは晴れました。

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