昔観ていた記憶はあるものの、内容をまったく覚えていなかったので先日改めて観てみました。するとどっぷりハマりこんでしまい、気付いたら一日潰れていたという時間泥棒っぷり。お話して参ります。
どんなお話なの?
いがらしみきお先生原作の、ラッコのぼのぼの、シマリスくん、アライグマくんの三人組を中心とした日常アニメ。一話あたり12分なのでサラっと観られるのが素敵。
彼らは性格がまるで違う凸凹トリオなんだけれど、だからこそ生まれる掛け合いの絶妙なシュール具合が癖になる。ギャグだけでなくブラックジョークや哲学っぽさやが時々含まれていて、そこがまた良い味を出しています。
脱線しますが、汗の噴き出る効果音が独特でやたら耳に残ります。ぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅーん。噴き出た汗でぼのぼのくんの居場所を特定したお話には笑ってしまった。
これぞ「仲良くケンカしな」
ぼのぼのだけにほのぼの一辺倒かと思いきや案外そうでもなかったりします。一話からアライグマくんとシマリスくんの間ではどつき合いしばき合い横行しているというすっ飛ばしっぷり。
そんなわけで「こんなに暴力的なアニメだったっけ…?」と思いはしましたが、実際問題不愉快に感じる暴力ではありません。あっさりしているし、やったらやり返される。陰湿なものを含んでいるわけではなく、彼らなりのスキンシップなのです。
言わばトムとジェリーの「仲良くケンカしな」に通じる行為なのです。見ていて微笑ましくなる。
微笑ましい凸凹トリオ
メイン三人組の人物像をちょろっとお話して参ります。
ぼのぼの
おっとりしたラッコの子ども。天然な発言をしてはしばしばアライグマくんにどつかれる。つまりボケ担当。
妄想力豊かで、ことあるごとに悪い出来事を想像しては「もうダメだぁ」と頭を抱える癖がある。その代表たる例が「しまっちゃうおじさん」。
その名のとおり悪い子を連れ去り岩の中にしまっちゃうおじさん(ぼのぼのくんの妄想の産物)。まったく脈絡ないところからしまっちゃうおじさんに結び付けては恐怖に涙するぼのぼのくんに笑います。
そんな感じでボケ倒してばかりかと思えば哲学的なことを口にしてアライグマくんを狼狽させたりもする。この作品の哲学っぽさはぼのぼのくんの発言から始まることが多い。
シマリスくん
マイペースなシマリスの子ども。ぼのぼのくんと一緒になってボケ倒したり、たまにつっこんでみたり。アライグマくん相手には一貫してボケ。吉田古奈美さんの超音波のような甲高い声がやみつきになります。
初対面の相手に「いぢめる?」と質問するのが常。アライグマくん相手には半ば煽り用途で使っている感じがある。その度アライグマくんにいぢめられる。誘い受けに思えてならない。実はいぢめてほしいのではなかろうか。
アライグマくんとは上述したとおりトムとジェリー的な関係にあります。アライグマくんにやられっぱなしのようでいて、実はアライグマくんの方がシマリスくんに振り回されている面があったりもする。その不思議な力関係が好きです。
声がかわいらしかったり女言葉を使ったりするものの、れっきとした男の子。一体どういうことなんだ。
アライグマくん
ガキ大将的なアライグマの子ども。ぼのぼのくんとシマリスくんにつっこみを入れる常識人。
本人はいたずら好きで見栄っ張りなガキ大将なんだけれど、ほか二人がボケどおしなのでつっこみに回らざるを得ないわけです。つっこみ役ですが二人の保護者というわけではなく、あくまで同じ目線で遊ぶ友達であるというのがポイントですね。
度々ぼのぼのくんとシマリスくんをどついているものの、なんだかんだ面倒見の良いやつ。ぼのぼのくんの石が割れたときは頼まれるでもなく新しい石選びに付き合ってあげたり、シマリスくんが病気になったときは特効薬になる草を採りにいったり。どつきは親愛の裏返しってところでしょうか。
「ああ、終わりかぁ」としみじみ感じるED
1~23および最終話のEDテーマソング「近道したい」が素晴らしい。歌い方や曲調は明るいのに、歌詞の内容はどこか寂しげ。でもだからこそ前向きな気分になれる。
実はこの曲が記憶に残っていたのでもう一度観るに至ったのです。それくらい印象深い。
まとめ
三人組の掛け合いが微笑ましく、子どもから大人まで年齢を問わず楽しめるアニメ。ただ大人になってから観てみるとまた違った発見があって面白い。
ちなみに2016年4月2日よりフジテレビにて新シリーズが放送されています。キャラデザは下記のとおり。
なんかみんな痩せましたね。特にアライグマくんはライザップでもやったとしか思えない変わりっぷり。ピカチュウやハム太郎が段々スマートになっていったのと同じものを感じます。これが時代の変化か。初期のでっぷりした感じが好きだったのに。
メインキャラのキャストは総入れ替え。私はまだ観ていないので雰囲気はわかりかねますが、声に慣れるまで時間がかかりそう。