有沢まみず先生原作ライトノベルのアニメ化作品。
近頃懐アニメを観ることが多い次第です。「いぬかみっ!」は2006年放送された作品なのですが、2006年といえば「涼宮ハルヒの憂鬱」「コードギアス 反逆のルルーシュ」など、10年経っても色あせない名作揃いの年。この作品も例に漏れない名作です。放送当時から好きでした。それではお話しして参ります。
Contents
醸し出すうる星やつらテイスト
基本はやらしくて浮気性な主人公「川平啓太」が、一途な異種ヒロイン「ようこ」に束縛されつつすったもんだやらかすという作風。
ラブコメ界の代表、高橋留美子先生の「うる星やつら」を彷彿する内容です。
最初期に主人公がヒロイン以外の女性からはてんで嫌われているという点も諸星あたるとラムちゃんの関係そっくり。現代版うる星やつらと言っても過言ではないかもしれません。
OP詐欺の謗りを受けても仕方ない変態仕様
ヒロイン「ようこ」のCVを担当する堀江由衣さんが歌うOP主題歌「ヒカリ」。
映像がこれまたかっこいい。10年前のアニメとは思えないほどの美麗作画で、シリアスな和性伝奇物語を感じさせる仕上がり。
さぞかし本編も息のつまる内容なのだろうと思いきや、その実2クール全26話の9割ほどが変態嗜好の詰め合わせという驚愕の事態。主人公が毎回のように服を脱ぐ、留置所の常連である、下着泥棒と顔見知りである…などなど。
だというのに、主人公がかっこいい。未視聴の方は大変困惑されるでしょう。しかし事実なのです。
決めるときはビシっと決めるそのギャップこそ
そんな変態主人公ですが、平素はスチャラカでもやらねばならないときはやる、けれども笑みは絶やさない。窮地でも余裕の伺える、だけど心根は真剣であるその姿に漢気を感じるのです。
また、ヒロインであるようことの絆にも注目です。共依存のようなベッタリ甘え切った関係ではなく、お互いを心から信頼しているからこそあっさりした関係が素敵なのです。
ようこが面倒ごとに巻き込まれ一人で飛び出した際啓太が、真実危険であるならば自分に応援を頼むだろう、しかしそうしないならば心配は無用だ、と発言していた場面は特にそれが顕著です。
不器用なツンデレなのだろうか、と思う行動
おちゃらけている啓太だけれども、本命はようこ以外にありえない。だというのに啓太がようこ以外の女の子にちょっかいをかけるのは、おちゃらける啓太にようこが処罰を下すところまで込みの、二人のスキンシップのようなものなのでしょう。
ようこは犬神と呼ばれる人ならざる存在なのですが(正確には違うのですがまあ似たようなものなので同列として扱います)、啓太はそんなようこに対して「俺は人間の女の子が好きなんだ」と口にするわけです。だというのに従兄弟である川平薫の犬神10人に対していつもちょっかいをかけています。
このことから、人や犬神云々を問題としているというよりも、スケベ心に加えてようことじゃれあいたいという気持ちもあってことに及んでいるのだと思うのです。そんな啓太が煩悩を控えた素振りを見せれば「啓太はやっぱりHじゃないと!」と口にするようこ。まったく不器用なやつらです。
かわいい女の子とのサクセスストーリー
当初薫の犬神からは畜生のような扱いを受ける啓太。ところが表面上の啓太のスケベな行動の裏に隠れるやさしさを垣間見た犬神10人らは、次第に彼に心を開くようになっていきます。
視聴者としては、彼女ら10人の犬神のツンケンした態度に心象がどん底の状態からスタートするわけです。だというのに、次第にデレ始める有り様を目の当たりにすると一人、二人…とどんどんときめいていきます。
ようこがかわいくてしかたないこの作品。しかし他の女の子もかわいくて辛抱たまらない。まさに啓太の心情が理解できる作りとなっているわけです。そう、浮気は文化なのです。ああいや、ごめんなさい。けれども。
まとめ
基本は変態。だけどやるときゃやる。そのメリハリが素晴らしい。おまけに女の子がみんなかわいい。文句なしです。私は好きで好きで仕方ない。そんな作品です。