/ / 【ネタバレ注意】アニメ「迷家-マヨイガ-」をすべて観終えたので、感想+総括を述べる

【ネタバレ注意】アニメ「迷家-マヨイガ-」をすべて観終えたので、感想+総括を述べる

2016061801

公式で銘打たれていた群青劇に期待しながら視聴していたこの作品。群青劇というよりも、間延びした掛け合いに終始したまま最終回を迎えてしまった…という印象でした。お話しして参ります。

※「迷家-マヨイガ-」各話のネタバレが多分に含まれています。未視聴の方はご注意ください。

各話ごとの感想はこちら。よろしければご覧ください。

登場人物は31人も必要だったか?

2016041701

人生やり直しツアーの参加者30名+運転手で総勢31名が物語の舞台となる納鳴村を訪れるわけですが、土台1クールで捌き切れる人数ではありませんでした。たとえば「Another」のように次々と人物が退場していく作りならいざ知らず、そうでないにも関わらずこの人数は厳しい。

一人一人にきちんとした役割が定められているのならまだしも、他人の意見に同調するだけで自分の意思が存在しない野次馬のような連中が大半で、あまり存在意義を感じられませんでした。また、掛け合いに突入すると本題から脱線させる役割がいたりして、リアルではあるけれどもそのことが原因でテンポが悪くなってしまっている場面も多々見受けられました。

そんなわけで人数が多くなるあまりテンポが悪い上、一人一人に設ける時間が短くなった挙句主人公・メインヒロインである光宗や真咲の掘り下げも不足しているという印象です。この点は大分もったいなく感じました。

後々に活かされない描写が多かった

人物ごとに振り返って参ります。

ジャック

detail_jack_2

たとえばジャックがケツくん(氷結のジャッジネス)に危害を及ぼそうとしてすったもんだあり、彼が前科もちだと発覚してみなから非難されていた際光宗ただひとりが彼を擁護し、それまでポーカーフェイスだったジャックが光宗の言葉に驚いてみせた場面。

これは後々ジャックが光宗と和解する伏線なのかと思いきや、結局彼はこはるんにほだされ裏切者ポジションに落ち着いてしまいます。じゃあ意味深に描写する必要ないじゃないですかー!

その裏切りは、マイマイ・リオン・ナンコをレイジと邂逅させる以外に意味を成しません。最悪ジャックが関与せずとも他の絡ませ方があったようにも思います。心情すら語られずどうしようもないやつで終わってしまった。

マイマイ

detail_maimai_2

序盤で再三サブヒロイン枠だと感じさせつつ、参加者が本格的にナナキに翻弄されるようになってからはすっかりモブキャラの位置に納まってしまいました。マイマイかわいかったのにもったいない。

でっかい光宗のトラウマを克服した後、振られた彼氏と光宗を重ねていたことを反省して、光宗本人に惹かれていく…なんて展開が見てみたかった。構成上トラウマを克服すると納鳴村から追い出されるため無理だというのが悔しい。

それならそれで、真咲は光宗本人を見ているけれど、マイマイは光宗を通して振られた彼氏を見ているという対比をもう少し丁寧に掘り下げても良かったですね。

リオン

detail_lion_2

彼女は「これから亡くなる人が見える」という能力を持っています。こんな人物が登場するのだから、「きっと次々と人が退場していくんだ」「リオンの能力をうまく使って惨劇を回避していくんだ」なんて想像をしていましたが、正直まったくなんの役にも立っていませんでした。

そういう能力のせいでトラウマを抱えているのでツアーに参加したんですよ」という理由付けに留まってしまったのがもったいない。本人もどこかミステリアスで、更にはメイン級の重要人物になってもおかしくない設定を持っているだけに遺憾です。

地獄の業火・ニャンタ

detail_jigokudetail_nyanta

過去回想でトラウマが描写された割には目立った活躍がない。ナナキを受け入れず無気力状態になり、終盤で実質上の退場扱いです。果たして過去を掘り下げる必要はあったのか。

運転手

detail_untenshu

大詰めで唐突に彼のトラウマが解消されるという。バス突貫させるために必要ではありましたが、それ以上でも以下でもない脚本上の都合といった感じが否めませんでした。

マイマイとか、リオンとか、ヴァルカナとか、他に掘り下げるべき人物はたくさんいただけにいまいち納得がいかずじまい。

真咲

detail_masaki_2

みなに詰め寄られても具体的な理由を説明できず「なんとなく~しない方が良いと思うんです」が常套句となっており、作中の人物のみならず視聴者までフラストレーションが溜まる。彼女を毛嫌いしていた颯人が「理由があるならきちんと言ってくれよ」と珍しく理性的な発言をしていたわけですが、まったくもってその通りでした。

結局「何故話せなかったのか」ということは明かされずじまい。本当にフィーリングだったのか、過去納鳴村に住んでいた際に何か気づいたのか…。

また、光宗や颯人をわざわざ煙に巻いて単独行動に躍り出たりなど何をしたいのかがよくわからない人物でした。黒幕を疑わせるミスリードだったのだろうか。一話時点ではかわいく感じていただけに残念でした。

ナナキの描写がいまいちだった

思えば、マイマイに「でっかい光宗」と発言させた時点から若干のギャグ化が始まったいたのかもしれません。

ナナキの正体は各々のトラウマが具現化したものであるのだから、もっと得体のしれない薄気味悪いものであるように印象付ければ良かったのではなかろうか。でかいペンギンだったり、シリコンお化けだったりと、いまいちビジュアルがおっかなくない。

もしくは下手に人外にせず、ペルソナのように「自分の影にトラウマを抉られる」の方が雰囲気は壊れなかったかもしれませんね。

なんにせよ、せっかく各々違ったトラウマを持っているのに、やることは具現化したナナキに追っかけまわされるという点に終始しているのがいまいちに感じられました。運転手やレイジを見るに、対話という形でトラウマを克服した方が違和感はありませんね。

少なくとも光宗に関して言えば、ペンギンお化けよりも時宗というひとりの人物と対話をさせるべきだったと思います。視聴者としても対話を通した方がハッキリと成長を実感できますし、説得力がグンと増します。

31人がそれぞれの選択を貫いたところは良かった

黒幕が判明しナナキの謎が解けさてどうしようかというところで、各々の都合で納鳴村に残る・残らないを決めたのは個人的に好きな結末でした。全員が都合よくトラウマを克服して現実に返るよりも納得できます。

そしてここぞとばかりにカップルが量産されるのであった。ヴァルカナとイチャつくこはるんが何気にかわいかった。背景がわかりきっているので安心して萌えられるというこちら側の都合もあるのですが、ポーカーフェイスが崩れ感情表現豊かになった点が何よりですね。父さんのスットコドッコイー!

この二人、もっと早いうちからくっついてしまえば良かったのではなかろうか。利用するために近づいたはずのヴァルカナに惹かれ、父を救うために誰かを犠牲にしなければならない目的との間で葛藤する…ベタではありますが、見てみたかった。群青劇だと知った当初から、私はこういった人間関係の変化を期待していたのですから。

まとめ

期待した内容とはまったく違った方向に突っ切ってしまったので、そこが残念。登場人物の多さ、ナナキによるトラウマ演出の冗長さが足を引っ張っていたように感じている次第です。やり方を変えればもっと面白く仕上がったのではなかろうか、と思ってしまうのはひとえに期待が大きかったからなのでしょう。それでは。

この記事をシェアする
このブログをフォローする