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【響け!ユーフォニアム】久美子と麗奈の関係はかつて私が憧れたものだった

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2016年4月23日に劇場版公開、またアニメ二期の製作が決定された「響け!ユーフォニアム」。この作品において私が注目していたのは、ひとえに久美子と麗奈の関係の変化にありました。お話しして参ります。

あの日の失言が心残りで

中学の吹奏楽コンクールでの麗奈の言葉が忘れられないまま、久美子は北宇治高校に進学した。
クラスメイトの葉月と緑輝に誘われ吹奏楽部の見学に行くと、そこへ麗奈がやって来て――。

物語は中学校の吹奏楽コンクールの結果発表から始まります。主人公「黄前久美子」の中学は、努力の甲斐あって見事金賞を受賞します。…が、それはいわゆる”ダメ金”というもの。

ダメ金とは一体なんぞや?次の舞台へ進める絶対数が3枠だと仮定します。金賞を受賞した学校が5校ならそのうち2校は枠から溢れてしまう。その溢れた側の学校が受賞した金賞を”ダメ金”と呼称するのだそうです。

部員たちが金賞(ダメ金ではあるものの)受賞に歓喜する中、「高坂麗奈」は顔を伏せ涙を流しています。久美子は喜びのあまり嬉し涙を流しているのだと推察し「良かったね。金賞で」と声をかけます。

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しかしながら返ってきた言葉は「悔しい」という、予想とは反したものでした。

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なんでみんなダメ金なんかで喜べるの?私ら全国目指してたんじゃないの?」。本気で悔しがる麗奈に対して久美子は失言を漏らします。「本気で全国行けると思ってたの?」。

後悔先に立たず。この一件が久美子の心残りとなり、高校からもう一度やり直そうとわざわざ中学の部員が誰もいない高校に入学するも、なんとそこで麗奈と再会してしまうわけです。

互いを気にするいじらしい距離感

めでたく同じ高校同じ吹奏楽部に身を置くことになった久美子と麗奈。それからというもの、ことあるごとに麗奈を気にする久美子ちゃん。

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ただ、どうやらそれは麗奈も同じようで、目と目が合いお互い慌てて目線を逸らしてしまうなんてことも。

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ポーカーフェイスを崩さず傍から考えを読めない麗奈ですが、久美子に対して興味津々であることが伺えます。互いに気になる相手なのだけれど、積極的に話しかけたりはしない。この距離感が素晴らしい。

そして自分を晒し合う

すったもんだあって二人は一緒に地元のお祭りに行く約束を交わします。しかしわざわざ久美子にユーフォニアムを持ってくるよう連絡し、自身もトランペットを持ってくる麗奈。

彼女はお祭りには行かず、裏山に登ろうと提案します。だというのに、あえて山登りに適さないワンピースやヒールを履いてやってきたのは何故だろう。久美子の「かわいくてびっくりした」という発言に対する反応がすべてを物語っている。

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学校や部活から離れたせいか、二人きりだからか、いつもより砕けた調子で会話をする二人。

「…足、痛くないの?」

「痛い。でも痛いの嫌いじゃないし」

「なにそれ。なんかエロい」

「…変態」

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ありのままを晒しあうような、無防備なやりとり。たまりません。付かず離れずの距離感から、互いに一歩踏み込んだように感じられます。

そして麗奈は「ずっと久美子と遊びたいと思っていた」「人前で被る良い子ちゃんの皮を剥がしてやりたい」…などなど、久美子に自分の気持ち打ち明けます。

黄前さん」「高坂さん」。互いに名字で呼び合っていた二人。付かず離れずから一転、麗奈から久美子に向けてこの上ない歩み寄りを見せるわけです。

しまいにはこの一言。「久美子って性格悪いでしょ?」。中学の合唱コンクールで久美子が漏らした失言「本気で全国行けると思ってたの?」にかかっているのですが、そのことを根に持っているわけでは毛頭なく、高坂麗奈が黄前久美子という人物を気にかけるようになったきっかけだと暗に告げているのだと思います。

そう解釈する最大の根拠が、久美子の「それ悪口?」という疑問に対する麗奈の返答。「これは愛の告白」。

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これまで語られることのなかった麗奈の気持ちがはっきりと形になった瞬間です。もちろん額面どおりの意味合いではありません。久美子のことが気になってしかたなかった、近づきたかった。そうした真意が込められた言葉であるわけです。

「特別」になりたい

山頂で麗奈は更に真意を語ります。

他人と同じことをしたくない」「当たり前の人の流れに抵抗したい」「特別になりたい

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しかしそれは、人の集合である社会に身を寄せていては、あまりに難しい行為です。茨の道です。

それでもその道を行かんとする麗奈に対して久美子は、ある種の尊敬のような、崇拝のような気持ちを覚えたのでしょう、雪女の話になぞらえ「今なら命を落としても構わないと思った」と自分の気持ちを独白します。

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これまで周囲に流されてながら生きてきた久美子だからこそ、麗奈の生き様を尊く思い、感銘を受けずにはいられないのです。

同時に麗奈も、有象無象の他人とは違い、どこか冷めており、思ったことを口にする久美子に対して憎からぬ気持ちを抱いていたのでしょう。久美子なら自分の考えを理解してくれると信じていたからこそ、あらかじめ楽器を持ってくるよう連絡をし、久美子とともに裏山を登ろうとしたのです。

それはかつて私が憧れた関係だったのかもしれない

学生時代、気の合うもの同士のグループが出来上がっていたと思います。学内の人間関係は、学校行事などの特別なイベントがない限り基本的にグループ内で完結していることがほとんどではなかったでしょうか。

私の場合がまさしくそんな具合でした。なので、なかなか他のグループに所属している同級生とは関わる機会が作れなかった。けれど不思議なもので、グループが異なる上、グループ間の関係も良好どころかむしろよろしくないのに、何故か気になって仕方ない同級生がいました。

私とは性格が正反対で、まともに会話をしたことすら数えるほどなのだけれど、ふと気づけばその同級生の行動を目で追いかけてしまう。仲良くなりたいと思う。そんなことを考えていました。

久美子と麗奈の関係は、まさにそういった気持ちを互いが秘めていて、そのことをきっかけに起こした歩み寄りが素敵に成就した結果なのだと思います。私の憧れの関係に他なりません。だから、二人の一挙手一投足に目が離せなかった。

まとめ

ひょんなことから互いを意識し合い、ふれあい、交差していく久美子と麗奈。二人の関係の進展が非常に綿密に描写されており、ときにはニヤニヤしたり、ときにはドキドキしたり、色々な気持ちを味わえました。二期が楽しみです。

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